雑貨ショップという業種が、いくら他の物販にくらべて開業資金が割安で出店できるからといっても、「店舗取得、内・外装、初回の仕入れ…」などに100万円単位の資金は必要になります。
一般的な人々にとって、これはもちろん大金です。 失敗した時のリスクを考えると、どうしても起業に躊躇してしまい、なかなか踏ん切りがつかない方もいるはずです。
とくに、日常の生活内で動かしている金額をはるかにしのぐ大金になると、本能的に拒否反応をしめしてしまいがちです。
そこで、そのような方のために、ここまで解説した《 店舗探し 》とは違い、もっとリスクの少ない手段であなたの素敵な雑貨屋さんを開業する方法をご紹介します。
それがこれから解説するチャレンジショップへの出店です。
TVのニュース番組や新聞、雑誌等の経済・商業面によく目を通される方はご存知だと思いますが、バブル経済が崩壊し、リーマンショック後からの長引く不況やイオン系、セブン系やアウトレットモールなどの郊外型大型ショッピングモールが続々と開業した影響で、地方の商店街などはシャッター通りとなり、ふえ続ける空き店舗が深刻な問題になってます。
既存の商店街は、図のようなマイナス・スパイラル(悪循環)におちいってしまっています。
そこで「このままでは街が死んでしまう」という危機感から各市町村の行政機関や商工会議所なども協力して《 チャレンジショップ 》というシステムが発足しました。
普段から独立・開業を夢みていたあなたなら一度くらいは耳にされたことはあると思います。
このチャレンジ・ショップというのは、商店街地区の空き店舗を行政や商店会の援助のもと、資金の無い開業希望者にとても割安の条件で商売できるスペースを提供してくれるシステムで、地域によっては出店希望者が多過ぎて「抽選、順番待ち」という所もあるくらいです。
まさに「お金はないけどお店を開きたい!」という商売初心者の人と空き店舗の増加による地盤沈下に悩む商店会の思惑が見事に合致して生まれたのがチャレンジショップです。
このチャレンジ・ショップへの出店条件や必要経費は、管理する各商店会の事情等によってバラバラです。
基本的には出店期間が半年、1年という単位で区切られていますが、次の入店希望者がみつからなければそのまま営業を続けられるケースが多いです。
もちろん保証金などは必要なく、家賃も格安で毎月の経費も共益費(おもに電気代です)だけで、坪あたり数千円程度でおさまります。 当然これらの諸条件は人気の度合いによって違ってきます。
希望者が大勢いるような人気のチャレンジ・ショップでは出店審査も厳しくなり、その反対になかなか入店者が決まるらないチャレンジ・ショップでは審査基準も甘くなります。
しかし、出店業種に制限(飲食・サービス業などはダメ!)があるケースでも、雑貨店ならばまず大丈夫です。雑貨ショップという業種はイメージが良いので、商店会やテナントビルにもウケ(印象)が良いです。
起業に悩んでいる方も、このチャレンジ・ショップでたとえ、半年でも1年でも実際に営業してみれば商品動向やお客さんへの対応などの商売の基礎体験ができます。
商店会のいろんな人とも仲良くなれて、貴重なアドバイスも受けることもでき、優良物件の紹介をしてもらえるケースもあります。
商品を買っていただいたお客さんに住所録に記入してもらえば、あなたがお店を開いた時にDMや電話でオープンをお知らせることができ、そのまま大切な固定客にもなってもらえる可能性も大いにあります。
そして、ここでの販売が好調で新店舗の開業資金を稼ぐことができれば、まさに一石二鳥です。本格的にお店を開くための準備としては ”もってこい” です。
ここまで読んでいただいたら、チャレンジ・ショップとは、起業希望者の方にとっては、とても便利なシステムに思われるかもしれませんから、一応考えられるマイナス面も列記しておきます。
あなたの理想とするお店のイメージを出し難い!
可動式の什器を使っての商品陳列となるので
単独店舗のような統一した内装は施せません。
立地(出店場所)を選べない!
チャレンジショップは基本的に一定期間空き店舗となっているスペースを
使用していますから、たとえ対象とする購買層が少ない所であっても
あなたには選択の余地はありません。
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というようなマイナス面が考えられます。
しかしいくら、郊外の大型ショッピングセンターにお客をうばわれ少しさびれた商店会であっても、以前は買い物客でにぎわったその町の中心地区であったことは確かです。畑のまん中や工場地帯にお店を開くわけではないのです。 れっきとした商業地域なのです。
営業しているそれぞれのお店は、各店が固定客をもって日々の売り上げで生活していますから、あなたのガンバリと努力しだいで、商品は売れます。
毎月の必要経費も激安なのですから、ここで赤字になるようなら、もう一度冷静になって出店計画をイチから見直してみてはいかがでしょうか?
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