毎年年、春と秋に開催される東京インターナショナルギフトショーは、国内最大級の雑貨見本市で、会場となる東京ビッグサイトでは、30万点にものぼるさまざまな雑貨商品を一同に見ることができます。
「商品の仕入れ」の項でも解説しましたが、あなたのショップが開業後にこのギフト・ショーをうまく利用すれば、新規の仕入先の開拓によって商品構成の幅も広がり、他の雑貨店との差別化をはかるうえでも大変効果的です。
そこでギフト・ショーをはじめて訪れる方のために、わずか3〜4日間という短い開催期間内を効率良く見て回るための見学方法を紹介してみます。
ギフト・ショーへの入場は無料ですが、会場内に入るためには入場券が必要になります。出展メーカーと取引がある既存の雑貨ショップには、そのメーカーから開催前に入場券(招待券)が郵送されてきますが、そのような取引先がなければ、主催者であるビジネスガイド社に申請して、事前に入場券を送ってもらわなければなりません。
ショーの案内状が届いたら出展社パンフレットを見て、あらかじめ興味のありそうなメーカーやあなたの雑貨ショップで今後ちからを入れたい商品群、新しく取り扱いたいアイテムなどをよくチェックして当日の会場内の見学順路も決めておきましょう。
当日はできるだけ多くの時間をかけて会場を見て回るようにしなければなりません。
とくにはじめてのギフト・ショーならば、会場となる東京ビッグサイトはとても大きいので、初日は会場全体を見てまわり、次の日は目星をつけたメーカーとの商談のために使えるように、余裕をもって最低2日間は費やすつもりで予定しておくことをお勧めします。
2500社からの出展メーカーブースをわずか1日でまわるのはとても厳しいです。
時間に追われてバタバタしては、せっかくの優良メーカーを見落とすことにもなりかねませんから、そのような事がないように気を付けましょう。
今後のあなたのショップの売り上げにかかわる、新規の仕入先や魅力ある商品をさがすのですから、時間はいくらあっても足りません。その間のショップスタッフ(店番)が確保できなければ、お店を臨時休業してでも行く価値はあります。
当日は会場内に入ると、まずはあらかじめ決めておいたコース順に各ブースを軽く見て回りながら、興味がありそうなメーカーにチェックを入れておきましょう。
会場内は日本全国はもとより台湾や中国などの海外からもバイヤーが訪れてきていますから、ものすごい人であふれかえっています。
できれば、重要度別に A・B・C の3段階評価チェックをしておくとその後の商談のための時間配分が有効にできます。 会場全体を一巡できたら、今度はさきほどチェックした各ブースを今度は、時間をかけてひとつひとつの商品をじっくりと品定めしましょう。
そこで、あなたの感性にマッチするような素敵な商品をみつけたなら、その場で担当者との商談に入ります。
新規の取り引きになりますから、交渉をスムーズに進めるためにも、あなたのショップの全体の雰囲気や現在の取り扱い商品がよくわかるように、店構えや店内をいろんな角度から写した写真と名刺をあらかじめ準備しておくことをお勧めします。
相手先のメーカーに対して、口頭での説明では、あなたのショップのイメージやコンセプトをなかなかうまく伝え難いですが、写真ならば、どんなお店なのかがすぐに理解してもらいやすく時間の短縮にもなります。
もちろん、開業前でお店の写真や実績がない場合、実店舗をもたないでネットショップだけで営業をしている場合は、そのことを担当者に伝えれば、取引はしてもらえます。
ただし実店舗での営業がなく、ネットショップだけの場合は、値引き販売や商品イメージの関係で、取引を断られるケースもありますが、その場の交渉次第(取引条件)で変わる場合もあります。
また、各メーカーによって新規の取引基準は異なりますから、すでにあなたのお店の地域に既存の取引店がある場合などは、バッティングを理由に断わられるケースも当然あります。
しかし、どうしてもあなたのショップで扱いたい商品があったならば「はい、そうですか」で引き下がらないで、熱意をもって交渉を続けてみたら、メーカーの担当者も何とかできないか再考してもらえるかもしれません。
例えば、ある商品に限ってだけ、部分的な取引をしてもらえるようなパターンもあります。
・Aのブランド商品に関してはすでにその地区に契約店があるのでダメだが、その代わりに新しく導入されたBというブランド商品は仕入が可能
・バッグ関連に関してはダメだが、アクセサリー類は仕入が可能
メーカー側とてしてもこのモノの売れない不況時に、わずかでも売り上げアップをはかりたいのが本音です。
電話で新規の取り引きについて問い合わせる場合とは違って、実際に担当者と向き合った交渉では 「 どうしても、この商品を売りたいです!」 という、あなたの強い気持ちが伝えられれば、メーカーサイドも
「 そこまで自社の商品を気に入ってくれているならば何とかできないものか 」 と再考してくれるケースもあります。
交渉相手の性格や人柄にもよりますが、スグにあきらめないでできるだけ熱意を持ってくい下がってみることも必要です。
それでも取り引きしてもらえなかったら、また次回のギフトショーで再度アタックしてみましょう。このご時勢ではバッティング対象となっていたショップの状況(支払状況が悪い、倒産閉店)が変わっている場合もなくはありませんから。
メーカーとの交渉の場数を踏んで、慣れてくればその場(話の内容)の雰囲気で、取り引き可能か?否か?が大体わかるようになってきます。 何事も経験ですから、最初はダメもとで果敢にアタックしてみることをお勧めします。
次に、会期中に各メーカーが用意しているパンフレット、商品カタログは必ずもらっておいて、商談内容やあなたの感想、気づいた点などをできるだけこまめに書きとめておくと、今後の活用に便利です。
また、会場で配られているバイヤーズ・ガイド(出展社リスト)も重要な仕入れ資料になります。商品ジャンル別の索引もあるバイヤーズ・ガイドは、まさに雑貨業界のタウン・ページともいえ、会期終了後の商品の問い合わせにも大変重宝しますから、うまく活用して下さい。
国内最大の見本市、東京インターナショナル・ギフトショーほど雑貨ショップの経営者にとって、効率良く新規取引メーカーや商品をさがせる展示会は、その規模や出展企業数・商品数において他にはありません。
※ 大阪と福岡の会場でもギフトショーは毎年開催されますが、出展企業数や規模は比べものになりません。
毎年2回開催のギフトショーをうまく利用して、より素敵なお店作りのために大いに役立ててみてはいかがでしょうか?
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